pillow dream
「おやすみ、グババ。」
ベッドで丸くなり眠る愛猫にキスをして、ミレーヌは天蓋付のキングサイズのベッドへ横になった。今日は何故だかいつもより疲れていた。瞼が重く頭がぼんやりとして周りの景色が雲がかったようにぼんやりとなる。ミレーヌはベッドに備え付けられた小さなライトを一つ灯してそのまま眠気を堪えるように瞼をぱちぱち、と瞬かせ、天井を仰いだ。考えたいことがたくさんあった。新曲の歌詞のこと、次のライブのこと、先日母に無理やりさせられたお見合いのこと、それから最近毎晩のように見る不思議な夢についてのこと、などである。
ねえバサラ、最近不思議な夢をみるの
あたしもバサラも、レイもビヒーダも、こことは違う世界にいるのよ。
ロボットが普通に街を歩いているような世界ね。変なの。
しかもそこは地球じゃないみたい。どこかの小さな惑星かな。
でもあたしもバサラも、やっぱり同じように歌ってて、
やっぱり4人でバンドを組んでるわ。
それでね、バサラ、バサラってば真赤なロボットに乗って宇宙で歌うのよ
いくら破天荒なアンタでもそんなのって、ねえ。
そういえば、あたしのロボットはないのかしら。
だって、宇宙で歌ってるバサラ、すっごく気持ちよさそうだったもの!
ねえバサラ、
世界が変わってもあたしたちずっと一緒に歌ってるみたい。
全部夢の話だけれど、でも悪くない世界だわ。
だからね、これからもずっとバサラの傍で歌っていたいな。
だって、あたしバサラのこと、
「もう寝なきゃ。」
ミレーヌはライトを消して子猫のように小さく丸くなり瞳を閉じる。
限界に到達した眠気に飲み込まれ、瞼が重く降りた瞬間既に意識は薄れかけていた。今夜はレム睡眠の波に流されて夢を見ることはなさそうだ。残念、ちょっと楽しみにしていたのに。ミレーヌは頭の中でぼんやりとそう呟くと、深い眠りの中におちていった。
-----------------------------------------------------------------
あとがき〜
やっと終わりましたねえ…長かった…な。
2045年の世界と、バサミレが学園生活を送っている世界は、
「どちらも在り得る世界」、平行世界、即ちパラレルワールドです。
てかガムリンさん…名前すら出てこなかった…。
ちなみにミレのお見合い相手、というのが彼です笑
ずっとずっと読んで下さった方々、ありがとうございました!!!